日本では、健康診断で「コレステロールが高い」と指摘される人が多く、実際にその数は200万人以上にのぼります。しかし、コレステロールが高いというだけで不安になる必要はありません。医師によると、適切な知識と生活習慣の改善によって、薬に頼らずコレステロールをコントロールできる可能性があります。
まず、コレステロールの数値について理解することが重要です。特に注目すべきは、LDL(悪玉コレステロール)、HDL(善玉コレステロール)、そして中性脂肪の3つです。健康診断で示されるLDLの基準値は140 mg/dL、HDLは40 mg/dL、中性脂肪は150 mg/dLです。これらの数値が基準を超えると、脂質異常症と見なされます。特にLDLが160 mg/dLを超えると、心疾患のリスクが大幅に上昇しますので注意が必要です。
次に、コレステロールを下げるための具体的な方法について考えましょう。食事においては、良い油と悪い油の違いを理解することがカギです。悪玉コレステロールを増加させる飽和脂肪酸を含む食品、例えば加工肉や乳製品、ドーナッツなどは控えるべきです。一方で、オリーブオイルや魚油などの不飽和脂肪酸は積極的に取り入れるべきです。
卵はコレステロールを含む食品として気になる存在ですが、1日1個程度の摂取であれば問題ないとされています。実際、卵1個あたりのコレステロール量は21 mgであり、LDLが高い人でも過剰摂取を避ける限り、健康的な食生活に取り入れることができます。
さらに、日本人に不足しがちな食物繊維も重要です。食物繊維はコレステロールを体外に排泄する助けとなり、その摂取量は男性で21g、女性で18gが目標とされています。しかし、現在の平均摂取量は14gと不足しているため、玄米や豆類、野菜を意識的に摂取することが推奨されます。
運動もコレステロール対策には欠かせません。ウォーキングやランニングなどの有酸素運動はLDLを下げ、HDLを増やす効果が期待できます。毎日30分が理想ですが、5分でも1分でも運動することは有益です。通勤時に一駅歩くなど、日常生活に取り入れやすい方法を見つけることが大切です。
このように、コレステロールの管理は一時的な努力ではなく、長期的な生活習慣の改善が必要です。正しい知識を持ち、日常生活で実践することで、健康を維持することができます。これからの健康診断での結果に不安を抱えることなく、より良い生活を送るための第一歩を踏み出しましょう。